会計を学んだことのある方ならお分かりになるかも知れませんが、

貸借対諸表に計上される資産というのは、

目に見えるものだけではありません。


ソフトウェアや商標権などの目に見えない資産も

無形資産として貸借対照表に計上されます。


貸借対照表に資産として計上されるということは、

将来的に、換金できるとか、収益を生む(費用を減らす)ということであり

価値があるということになるわけですが、

貸借対照表には計上されないような無形の資産もたくさんあります。


例えば、

イノベーションを起こせるようなアイデアを思いつき、

これを商品化するために研究開発を行うことになっても

これに関する支出や人件費などは資産として計上できないのが、

現状の会計の原則的なルールです。


また、

顧客リストも貸借対照表に計上されないものです。


あの鉄鋼王のアンドリュー・カーネギーは

顧客リストについて以下のように語っています。

「私の全ての財産を持っていってもかまわない。
 ただし、顧客リストだけは残しておいてくれ。
 そうすれば、私はすぐに今の財産を築いてみせる。」

日本では顧客リストについてこのような表現で形容されています。

「江戸時代の呉服屋は
 店が火事になった際には
 顧客台帳(顧客リスト)を
 井戸に投げ込んで逃げた。」


これだけ商売にとって重要な資産である顧客リストも

貸借対照表に計上されてないのですね。


つまり、

ビジネスを行っていくうえで、

重要と言われている無形資産の多くが

決算書には表現されないということ。


このように考えると

経営者のすべき仕事は、

「貸借対照表に計上されないような
 無形資産をできるだけ多く構築すること」

と言っても言い過ぎではないでしょう。


研究開発や顧客リストの充実という活動は

企業における「第2領域の活動」です。


すぐに業績に結び付くものではありません。


個人でもそうですが、

会社においても、(とりわけ経営者は)

このような

第2領域の活動に多くの時間を割き

「貸借対照表に計上されない無形資産」

を構築していくことが重要と言えるのではないでしょうか。


(まとめ)

■貸借対照表に計上される無形資産と
貸借対照表に計上されない無形資産と
いうものがある。

■ビジネスを行っていくうえで、
研究開発や顧客リストは欠かせないものであるが、
これらは価値あるもの(≒資産)として、
貸借対照表に計上されない無形資産である。

■貸借対照表に計上されない無形資産を
構築することが企業を永続するうえで欠かせない
ことであり、経営者の最も重要な仕事の一つが
この部分ではないか。