公認会計士高橋正哉の実践ブログ

企業のビジョン達成を社外CFOの立場から実現する一方で、独立会計士又は上場企業の社外役員として自らも経営の一旦を担う筆者が、会計・財務の専門分野に限らず、日々の活動から、企業経営や自己成長のヒントとなるような事項・想いを素直に、ありのままに、お伝えすることを目的として綴っているブログです。

カテゴリ: ベンチャー企業(IPO)


■本日は、会計でよく語られる

「継続企業の前提」

について考えてみたいと思います。


■継続企業の前提とは、

「企業が将来にわたって無期限に
 継続することを前提とする考え方」

のことを言います。

(以上、Wikipediaより引用)

会計基準は全て、
継続企業を前提として考えられています。

発生主義、取得原価主義、減価償却などなど

つまり、未来永劫、
企業が継続する、潰れないことを
前提としているわけです。


■ところで、本日は、

会計の世界における継続企業の前提
についてお伝えしたいのではなくて、


そもそも、企業を継続させる

すなわち、潰れないようにすること自体が、

簡単ではない

ということが言いたいのです。


■むしろ、

企業を継続させることに、
どれだけ経営者が頭を悩ませているか

という話です。

企業を継続させるということは、
雇用を生み、その社員の家族の生活を守り、
社会にも付加価値を与え続けている

ということ。

単純に素晴らしい。

そのように思うのです。


■最近は、ますます

会社の寿命が短くなっています。

昔は50年というようなことも言われていたそうですが、

昨今は10年なんてことも言われたりします。

IT業界などライフサイクルが極端に短い
ビジネスが多くなったことも一因でしょう。

ただし、今後は

この傾向がますます強くなっていくことは
ほぼほぼ間違いないと思います。


■そうだとすれば、

企業を継続させる、
 存続させることが、
  何よりも「重要」

そのように思うわけです。

これは、

会社に限ったことではなく、
個人でも同じではないでしょうか。

会社自体が10年も続かないならば、

終身雇用を前提とした生き方では、
あまりにも危険なように思われます。


■ということで、

会計の「継続企業の前提」の話から
だいぶと話がそれてしまいましたが、

私も含め、全ての法人・個人が

「存続すること」を

考え続けなければならない

そんな時代かもしれません。


(まとめ)
■会計は、企業が
未来永劫継続することを前提として
考えらえているが、
そもそも企業を存続させ続ける
こと自体が素晴らしいことである。

■企業を存続させるということは
社員の生活を守り、社会に付加価値を
与え続けているということ。

■会社の寿命が
どんどんと短くなりつつある昨今、
企業を存続させることの重要性が増しているし
個人も終身雇用を前提とした生き方では
不安な時代になってきているのではないか。
 

会社や人の成長は、

一次曲線ではなく、二次曲線であると

言われたりやします。


つまり、

打ち手(努力)と成果が比例するのではなく、

成果が出始めるまでは、

ほとんど成果を実感できないということであります。


これを、

飛行機の離陸で例えると、

離陸するタイミングが近づけば近づくほど、

「圧」が強くなっていきます。

そして、

離陸する瞬間が最も「圧」がかかるもの。

私を筆頭に(!)多くの人は、

この「圧」に耐え切れず、

途中であきらめてしまいがちですが、

この「構造」を理解していれば、

「圧」のかかっていくプロセスを

客観的に見ることができるのかも知れません。


もう一つ重要な点は

離陸するまでの期間は人それぞれであるということ。

もしかしたら、

1ヵ月かも知れませんし、10年かかるかも知れません。

この期間が分かれば、

どれだけ楽かと思いますが、そこは如何ともしがたいところ。


しかし、

ここを乗り越えなければ「安定飛行」に入ることができないのも事実。

また、

当然のことながら、飛ぼうとしなければ、

いつまでたっても離陸できるわけがありません。

分かりきった事実かもしれませんが、

案外ここで止まっていることも少なくないかも知れません。


ということで、

私自身も、ギアを入れ、エンジンを吹かして、

加速し続けて参りたいと思います。


(まとめ)

■会社や人の成長は一次曲線ではなく二次曲線であり、
打ち手(努力)と成果が比例しない。

■飛行機で例えると
動き出してから離陸するまで
徐々に「圧」が強くなっていき、
最終的には離陸する瞬間が最も「圧」が強くなる。
ここを耐えなければ「安定飛行」はない。

■そもそも、
飛ぼうとしなければいつまでたっても
離陸できないのであるが、
案外ここで止まっていることも多いのではないか。

前回、

立場の違いにより発生するギャップ、

とりわけ、

経営者と従業員との間で生じるギャップに関して、

双方(及び第三者)が

そのギャップを埋めるための努力を行うことが大事ではないか

というお話をいたしました。

今回は、

そのギャップを埋めるのには、

ビジョンを明確にすることが大事ではないかというお話。


ビジョンとは

企業としての、組織としての、

目的や価値観、未来のイメージを表したもの。

一言でいうと

「あり方」(To be)を示したものだと思います。


これが一つの生命体としての組織を一つにする唯一のもの

(「一」だらけ・・・)

と言っても過言ではないと言えるのではでしょうか。


もしそうであるとするならば、

なるべく組織を構成する全員が

納得できるものであることが望ましく、

経営者や従業員が一緒になって

企業としての「あり方(=ビジョン)」を決める

あるいは、

議論するといったことが重要になってくるように思われます。


ここで、

一つ面白い現象が起こるようです。

理念やビジョンと言ったものを明確にすると

離れていくと従業員がいるということ。


個人でもそうですが、「あり方」を明確にすると、

必ず起きてくる現象のようにも思います。


この話に少し関連するので、

ご紹介させて頂きますと

あるベンチャー企業の経営者の方から

昨日のメルマガに対して大変興味深いコメントを頂きました。

経営者と従業員のギャップを埋める過程で、

(少し飛躍しますが、)

「コミットしていない従業員は
 軌道修正についてこれず、
 退職していく。」

「結果として人材を選別する
 「踏み絵」のような機能を果たしている。」

というようなお話でした。


これは本当にそのように思います。

理念やビジョンというものに従い、

大きな軌道修正が生じた時に初めて

これら(理念やビジョン)が顕在化してきて、

それに付いて行けない人は、

離れていくというような流れなのかも知れません。


いずれにしても、

理念やビジョンを明確にすると見えてくるものがある

というお話でした。


(まとめ)

■経営者と従業員のギャップを埋めるためには
理念やビジョンといったものをどれだけ共有できているか
ということが大事になってくるように思う。

■そうだとすると
理念やビジョンを経営者と従業員が一緒に作成する
あるいは、議論すると言ったことが重要になってくる
のではないか。

■理念やビジョンを明確にすると
それに付いて行けない従業員は自ずと離れていく。
これはこれで悪い事ではなく
結果としてお互いにとって良いことではないか。

立場が異なると、

見える世界が変わりますし、

考えていること、
発言していること、

が変わるというのは、

私の少ない経験でもそのとおりだと思います。


典型的なのが、

経営する側か、従業員かの違い。


私自身、

大組織、小組織で雇われていた時代は、

経営者に対して、

「言っていることが、
 ころころ変わるな~」

 とか、

「昨日言われていたことと違う!」

と本当によく思ったものですが、

自分が事業主の側に回ってみると、

その理由がだんだんと分かってきます。


別に、

根底にある考え方や想いというのは、

ブレルことはありませんし、

(たぶん・・・)
一貫性のないことを言っているつもりもありません。

ただ、日々是精進の結果、

発言及び行動を微修正しているというのが正直なところです。


また、

立場が違うと当然に責任も変わりますから、

見えている景色が異なるということもあります。


「景色が異なる」ということは、

言い方を変えると、

持っている情報量が違う、

ということでもあると思います。


この情報の非対称性により、

経営者と従業員との間でのギャップが発生している

ということのようです。


このギャップが完全に埋まることはないと思いますが、

これを双方(及び第三者)が埋める努力をすることにより、

初めて組織として大きなレバレッジを効かすことができるように思います。


あなたはキャップを埋めるために、

どのような努力をされていますか?


(まとめ)

■従業員の方が、
経営者に対して抱く不満として
「言っていることが昨日と違う」
というものがある。

■これは、
立場の違いで見えている景色が異なるため、
発生する溝なのであって、完全に埋まることはない。

■とは言え、
組織としてレバレッジを効かすためには、
双方(及び第三者)が溝を埋める努力をすることが
大事ではないか。

会計を学んだことのある方ならお分かりになるかも知れませんが、

貸借対諸表に計上される資産というのは、

目に見えるものだけではありません。


ソフトウェアや商標権などの目に見えない資産も

無形資産として貸借対照表に計上されます。


貸借対照表に資産として計上されるということは、

将来的に、換金できるとか、収益を生む(費用を減らす)ということであり

価値があるということになるわけですが、

貸借対照表には計上されないような無形の資産もたくさんあります。


例えば、

イノベーションを起こせるようなアイデアを思いつき、

これを商品化するために研究開発を行うことになっても

これに関する支出や人件費などは資産として計上できないのが、

現状の会計の原則的なルールです。


また、

顧客リストも貸借対照表に計上されないものです。


あの鉄鋼王のアンドリュー・カーネギーは

顧客リストについて以下のように語っています。

「私の全ての財産を持っていってもかまわない。
 ただし、顧客リストだけは残しておいてくれ。
 そうすれば、私はすぐに今の財産を築いてみせる。」

日本では顧客リストについてこのような表現で形容されています。

「江戸時代の呉服屋は
 店が火事になった際には
 顧客台帳(顧客リスト)を
 井戸に投げ込んで逃げた。」


これだけ商売にとって重要な資産である顧客リストも

貸借対照表に計上されてないのですね。


つまり、

ビジネスを行っていくうえで、

重要と言われている無形資産の多くが

決算書には表現されないということ。


このように考えると

経営者のすべき仕事は、

「貸借対照表に計上されないような
 無形資産をできるだけ多く構築すること」

と言っても言い過ぎではないでしょう。


研究開発や顧客リストの充実という活動は

企業における「第2領域の活動」です。


すぐに業績に結び付くものではありません。


個人でもそうですが、

会社においても、(とりわけ経営者は)

このような

第2領域の活動に多くの時間を割き

「貸借対照表に計上されない無形資産」

を構築していくことが重要と言えるのではないでしょうか。


(まとめ)

■貸借対照表に計上される無形資産と
貸借対照表に計上されない無形資産と
いうものがある。

■ビジネスを行っていくうえで、
研究開発や顧客リストは欠かせないものであるが、
これらは価値あるもの(≒資産)として、
貸借対照表に計上されない無形資産である。

■貸借対照表に計上されない無形資産を
構築することが企業を永続するうえで欠かせない
ことであり、経営者の最も重要な仕事の一つが
この部分ではないか。

中小企業の経営において

重要なことは沢山ありますが、

その中でも、

「振り返り」を行うことは

非常に重要なことの一つと

と言えると思います。


しかしながら、

正確かつスピーディーな月次決算を組み

月次目標との乖離状況を分析する、

といった「振り返り」は

中小企業ではほとんど行われていないのが

現状でしょう。


また、

新規事業をどんどん始めるのは良いが

うまく行かなかったときの「振り返り」

を実施していないケースというのも多いようです。


そのほか、

現在のビジネスの方向性が

ビジョンや創業時の想いと乖離していないか

という「振り返り」も大事でしょう。


振り返りを行う事で

現状の棚卸が出来ますし、

それを共有することで

社内での一体感も高まっていくと

思われます。


そもそも、

「振り返る」文化が社内に形成されていない

あるいは、

「振り返る」ための場や仕組みがない

という場合には、

振り返り文化や空気を作っていくことから

始めるのが良いのかも知れません。


ちなみに、

「振り返り」は

言葉にして、数値に落とし込んで、

見える形にして、話し合って、

というように、

頭で考えるだけでなく、

目や耳や口など

を使って皆でやることが

重要だと考えています。


(まとめ)

■企業経営においても
振り返りを行うことは
重要なことであるが、
ほとんどの中小企業では
振り返りを行っていないと
思われる。

■振り返りを行うことで
現状の棚卸が出来るし、
社内での一体感も生まれる
のではないか。

■そもそも
振り返る文化がない場合は
その場や仕組みを
作ることから始める方が良い。

■振り返りは、
頭で考えるだけでなく、
なるべく五感を使って
やるのが良いのではないか。

中小企業の多くは

月次決算書を作成していない、

あるいは、

月次決算を行っていても

現金主義(実際に入出金があった時に記帳する方法)

で記帳されています。


税務申告目的ならそれでも良いのですが、

経営実態を月次で把握して、適切な意思決定を行うためには、

発生主義(入出金ではなく売上や費用が実際に発生した時に記帳する方法)

での月次決算がマストだと考えています。
 

年間の数値目標を立てて「本気で」その達成を考えているのなら、

月次ベースで経営実態を把握しなければ話になりません。


月次ベースで年間目標との乖離状況をモニタリングし、

打ち手を考える

というPDCAサイクルを回している企業はやっぱり強いです。


ちなみに上場会社は発生主義で月次決算を組んでいます。

(月次で予算と実績との乖離状況を
 モニタリングする仕組みが
 機能しているかというのが、
 上場時に審査されますので)


月次決算を発生主義でくむというのは

とても大変なことのように思いがちですが、

これは、

最初に仕組みを作っておくかどうかです。


何でもそうですが、

仕組み作りのところが一番しんどいものです。

ここを乗り越えれば、後は巡航速度で進んでいくわけです。


ちなみに、

記帳業務は税理士事務所などに外注するのではなく、

社内でやった方が良いです。

外注するとなかなかタイムリーな月次決算を行うことが出来ないから。

スピードも大事です。


このように書くと

そんなことやっている暇はない、

あるいは、

そんなに人を雇えないという声が聞こえてきそうですが、

最初の仕組み作りのところがちゃんとできれば、

ここもクリアできるはずです。

(経理人員が一人もいないなどのケースでは
 外注して社長は本業に専念した方が良いです)


ほとんどの中小企業が

自分の健康状態を正確に把握せずに

やみくもに1年間走り続けているのですから、

発生主義の月次決算を組んで

自分(企業自身)を見つめ直すだけでも

随分と状況が変わるのではないか。


そのように考えています。


(まとめ)

■ほとんどの中小企業の月次決算は
現金主義で作成されており、
残念ながら経営には役立たないものとなっている。

■自分の健康状態が分からない中で、
適切な打ち手が打てるのかというと、疑問。

■発生主義での月次決算は手間がかかる
と思われがちであるが、
最初の仕組み作りのところを乗り越えれば、案外簡単。

■本気で目標達成を考えている企業は、
発生主義での月次決算を行っており、
スピードも速い。

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